ふじみかん農園

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『システムの問題地図』を読んでみた

私は少し前までシステムインテグレーターと言われる職種で、

システムエンジニアとプログラマー、たまにプロジェクトマネージャーをやっておりました。

簡単に言ってしまうと既存のパッケージソフトと連携するイージーオーダーのシステムを構築したり、

初めから終わりまですべて自作のフルオーダーのシステムを構築したりして

保守・運用なども含め対応する会社といったところかな?

私はむつかしい単語はよくわからなかったのでシステム屋さんと言っていました。

アホ丸出しでしたね(笑)

 

今はパッケージソフトの開発会社に転職したので、

いろんな業者さんとやんややんややる機会は今の所ないのですが、

この『システムの問題地図』という本を読んで、

ついつい昔の事を思い出してしまいニヤニヤしてしまいました。

著者は沢渡あまねさんという方です。

 

誰だって無駄にお金は払いたくないですし、

自分が携わったシステムに「役立たず」のレッテルは張られたくありません。

苦しんで生み出したシステムが使われないのは開発者にとっても悲しい事です。

しかし、そういった結果に陥るケースがあるのは事実です。

私も幾度かそういった悲しい結末を見てきました。

 

この『システムの問題地図』という本は、

どういう経緯でそういった悲しいシステムが出来上がるのか、

どういった困った人たちがどういった問題を起こすのか、

わかりやすい例を挙げながら解説をしてくれています。

・当事者意識のない関係者

・プロなんだからできるでしょう

・ITシロウトだからわからん。やっといて。

・大企業のつもり口出し

・とりあえずのコストカット攻撃

・YESマンな営業

・お客様は神様と甘やかすベンダー

・短くなる納期・増える要件

・人も時間も足りない中の報告要求

・聞いてないこと・知らないことは仕様

・運用でカバー

 

おそらく一番読んで楽しめる人は開発現場にいる人・いた人だと思われます。

私は「そうなの!そこ困ってた!」「わかってくれて嬉しい!」

という感情で読んでいました。

また、登場人物が開発側だけでなく、システムに携わる人達それぞれの視点で

書かれているので、おそらく読む立場によって着目点や感情が変わると思われます。

 

「この一冊を読めばシステム開発で発生するトラブルが何でも解決する」

という代物ではありません。

ただ、世の中に多々存在する誰も幸せにしないシステムの発生は

どういう経緯で生まれるのか、こういう困った人はいないか、

自分が困った人になっていないか、

こういった経験や知識が足りない時はこんな事を学ぶと良いなど、

解決へのヒントがたくさん含まれていると思います。

ご興味のある方は是非読んでみてください。

 

 

システムの問題地図 ~「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しき景色

システムの問題地図 ~「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しき景色